2024年の大統領選前の選挙活動として、Call her daddyにカマラ・ハリス氏が出演しました。
その回は反響を呼びyoutubeでの動画は100万回再生を超えています。
今回ピックアップしたクリップでは、女性の権利についてカマラ氏が自身の見解を語っています。
大統領選を控えた政治家のインタビューなので、普段のセレブやインフルエンサーのインタビューとは違い真面目な雰囲気です。
カマラハリス氏は頭が良い方なので、話し方や英語も参考になります。
アメリカの法律・宗教・土地勘なども関わる政治トピックなので、内容が深く英語も簡単ではありません。
全てピックアップしていたらとんでもなく長くなるので、割愛している部分もあります。
※2024/10/7 大統領選の一ヶ月前のアップロードです。
動画がアップロードされた時点はバイデン政権、カマラハリスが副大統領でした。
大統領選挙直前で民主党からはカマラハリス氏、共和党からはトランプ大統領が出馬していました。
動画の冒頭 アレックスの質問から始まります。
” At a rally in Pennsylvania former, President Trump recently told women
“you will be protected and I will be your protecter.” What do you make of that ? “
「ペンシルベニアで行われた選挙集会でトランプ前大統領が、
「女性の権利については守られるべきだ。そして自分が守る側になる」と述べていました。
これについてどうお考えですか?」
what do you make of that ?( = what do you think ? ) どう思いますか?
副大統領に言っても失礼がない丁寧語ということが分かりますね。
ビジネスのシチュエーションで使用しても問題ないでしょう。
カマラ氏はこう続けます。
He who when he was president, hand selected three members of the united States Supreme Court with the intention that they would undo the protections of Roie Wade.
「(トランプ氏が)前回大統領になったとき、ウェイド・ローリー*の保護を取り消すことを意図して、連邦最高裁判所の3人のメンバーを自分で選んだのよ。」
*ウェイド・ローリー/ロー対ウェイド事件 人工妊娠中絶を規制する州法と違憲と下した裁判。
つまり中絶を可能にした法律です。
ここで、select ではなくhand selectということで、トランプして意図して自分で選んだ、ということを強調したいのが分かります。
They did just as he intended and there are now 20 states with Trump abortion Bans including bans that make no exception for rape or incest which we just discussed which means that you’re telling a survivor of a crime of a violation to their body they don’t have a right to make a decision about what happens to their body next which is immoral.
「そして彼らはトランプ氏の意図した通りにウェイド・ローリーの保護を取り消して、
今ではトランプ中絶禁止法を採用している州が20州もあるのよ。
その法律はレイプや近親相姦による妊娠にも適用される。
つまり、犯罪被害者、身体を侵された人に対して、妊娠させられた自分の体をどうするか(中絶するか、産むか)も選ぶ権利がないって言っているの。
そんなの不道徳よ。」
Just as he intended – まさに彼が意図した通りに
abortion ban:中絶禁止法
make no exception for…:~に例外を認めない
rape / incest:レイプ / 近親相姦
survivor:被害者(特にトラウマを乗り越えた人)
violation:侵害、暴行
immoral:道徳的に間違っている、非倫理的
Which means (つまり〜)や、Which we discussed (さっき話したことだけど)と間接語を入れて回答が長くなってます。
日本語でもそうですが、頭がいい人って先に述べた文章を次の文で分かりやすく要約してくれるので、一文が長い!
ちなみにこの対談ではアレックスは自分の意見は話さず、淡々とカマラ氏への質問をしています。
Call Her Daddy の視聴者にも保守派はいるからね。
次にアレックスが自己体験を語り始めます。
2年前にウェイド・ローリーの保護が取り消された時、ノースカロライナ州(南部の州で比較的保守が多い州)の中絶クリニックに実際に行って、中絶した女性に会ったそうです。
中絶手術を受けた女性達が保守派の人達から「赤ちゃん殺し」とか沢山の罵声を浴びせられたのを目撃したそう。
自分がLAに住んでいる恵まれた環境にいる女性である事を再認識した、と言っていました。
そしてカマラ氏に、実際に今アメリカで中絶手術を希望するとしたらどうしたらいいのか、と問います。
カマラ氏はこう答えました。
「南部はバージニア州以外、中絶禁止法を適用しています。そして、中絶を希望するの大半の人は既に母親。 彼女達が中絶手術をしようとするとなると、まず払える保育園(既にいる子供のため)、有給があるのが大前提ね。※
そして空港に行って、TSAに並んで、飛行機で他人の隣に座って、今まで行った事のない市に行くところから始まるの。( 中絶が合法な州に飛んで手術をしなければいけないため )
親友に子守を頼むだろうから、手術後も一人で飛行機に乗って帰宅しなきゃいけないのよ。」
※アメリカの保育園は高額、月20万〜。
でもそれは交通費が払える人の話よね。とアレックスが続けます。
2年前にウェイド・ローリー*の保護が取り消された時、アレックスに中絶希望の女性達から助けを求めるDMが沢山届いたそうです。
自分の信念や信仰を捨てる必要はないけど、政府が何をするべきかを支持するべきではないと思う。牧師や神父やラビに話すのはいいと思う、とカマラ氏。
What’s so outrageous about it is a bunch of these guys up in these state capitals are writing these decisions because they somehow have decided that they’re in a better position to tell you what’s in your best interest than you are to know what’s in your own best interest.
「州都にいる政治家の連中達(大半男)が、”産むことが最善策”と勝手に判断して、女性達がその選択を押し付けらる立場にいるなんておかしい。自分にとっての最善の選択はその人自身がわかっているはずなのに。」
best interest が2回出てきました。
難しい単語は一切使っていないですが best interestがたくさん使われててなんとも理解しづらい。
でもこのbest interest は日本語にもぜひあってほしい表現なのです。
自分の利益・自分にとっての最善策という意味なのです。
例えば、キムカーダシアンが母親をマネージャーにしている理由について、”my mother have my own interest “て言ってました。
つまり、どこかの会社のマネージャーを雇ったら、会社の利益を優先して仕事をするだろうけど、母は自分(キム)を一番に考えて仕事をするから、というニュアンスで使えるんですね。
state capitals 州都 カリフォルニアだったらロサンゼルス
そしてカマラ氏は、ホワイトハウスに務めた人の中で(in office ) で彼女が唯一 reproductive health care clinic (= 産婦人科クリニック) に通ってた人間と話し始めました。
Reproductive health care clinic 直訳すると生殖医療クリニックと訳します。
下記のような治療を行うクリニックのことです。
IVF( access to IVF treatments)
避妊準備( access to contradiction )
子宮頸がんを発見するための細胞検査( paps)
乳がん検査( breast cancer screening)
HIV testing (HIV 検査)
これらの機関が、トランプの政策によって閉鎖されていると語っています。
そして、今まで南部で(※南部は保守的で中絶違法を信じる人たちが多いです。)中絶反対を叫んできた人達も、ロービーウェイド法が覆された時に、「ここまでになるとは思ってなかった。」っと言っていたとカマラ氏は続けました。
最後にカマラがまとめの一言を言って、こちらのクリップは終わります。
The government shouldn’t be telling people what to do.
「政府が人々にどう生きるかを指図するべきではない。」
今回のインタビューの核心を突いた一言ですね。
ちなみにこのyoutube動画のコメントで、「トランプのポッドキャスト出演動画は2500万再生されてるのにカマラは75万回だけだ笑」という声が多かったです。
再生数にも表れているようにトランプ大統領はやはりアメリカで大人気で、再当選しましたね。
トランプ大統領のインタビューもピックアップ予定です!
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